鍼灸治療のあれこれ│初めての方へ

鍼灸治療に興味はあるけれど、「痛くないの?」「本当に効くの?」「自分の症状でも大丈夫?」そんな不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、鍼灸治療が初めての方に向けて、鍼灸とはどんな治療なのか、何に効果が期待できるのか、施術の流れや安全性について、できるだけ分かりやすくお伝えします。

当院で大切にしている考え方や治療の特徴についてもご紹介しますので、鍼灸治療を受けるかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

鍼灸治療とは?

鍼灸治療は、「鍼(はり)」と「灸(きゅう)」を使って、体のバランスを整え、不調の改善を目指す治療法です。

名前は聞いたことがあっても、「実際には何をするの?」「どんな仕組みなの?」と分からないままの方も多いかもしれません。

ここでは、鍼とお灸それぞれがどんなものなのかを、初めての方にも分かりやすくご紹介します。

鍼(はり)ってなに?

鍼(はり)治療は、髪の毛ほどの細さの専用の鍼を使い、体の筋肉や神経、ツボなどにさまざまな刺激を与える治療法です。注射で使われる針とは違い、鍼灸治療で使う鍼は先が丸く、非常に細いため、「思っていたより痛くなかった」と感じる方がほとんどです。

鍼による刺激は、筋肉の緊張をゆるめたり、血流を促したりすることで、体のバランスを整える働きがあります。肩こりや腰痛はもちろん、頭痛や自律神経の乱れなど、さまざまな不調に用いられています。

当院では、刺激量をお一人おひとりの状態に合わせて調整し、無理のない、やさしい鍼治療を心がけています。

灸(きゅう)ってなに?

灸(きゅう)治療は、体を温めることで血流を促し、冷えや緊張をやわらげる治療法です。

お灸には、ヨモギの葉の裏にある繊毛を加工して作られた「艾(もぐさ)」と呼ばれる材料が使われています。艾は東洋医学では、体を温める「陽気」を補う大切なものとされ、冷えや体力の低下が気になる方の治療によく用いられています。

「お灸=熱い・火傷しそう」というイメージを持たれる方もいますが、 現在の灸治療では、温かさを感じる程度の刺激が中心で、強い熱さを我慢するような施術はほとんど行いません。

じんわりとした温かさが体に伝わることで、筋肉がゆるみ、リラックスしやすくなるのが特徴です。また、艾が燃えたときのやさしい香りには、気持ちを落ち着かせるリラックス効果があるともいわれています。

当院では、皮膚の状態や体質に合わせてお灸の方法を選び、火傷などのリスクに十分配慮しながら施術を行っています。

当院で行う鍼灸治療の特徴

当院の鍼灸治療の特徴は、現代医学的な視点による筋肉や神経へのアプローチと、鍼灸治療の源流である中医学の考え方を、症状やお身体の状態に応じて組み合わせて行う点にあります。

一人ひとり症状の原因や体の状態は異なるため、あらかじめ決まった施術を行うのではなく、その方に合わせたオーダーメイドの鍼灸治療を大切にしています。

現代医学的なアプローチ

現代医学的なアプローチでは、 筋肉や関節、神経の状態を確認し、「どこに負担がかかっているのか」「どの動きで痛みが出るのか」を客観的に評価していきます。

肩こりや腰痛、首の痛みなどの場合、単に痛みのある場所だけでなく、姿勢や動作のクセ、筋肉の緊張バランスなども確認しながら、症状の原因を探っていきます。

そのうえで、必要な部位に鍼灸でアプローチし、筋肉の緊張をゆるめたり、神経の働きを整えることで、痛みや不調の改善を目指します。

中医学的なアプローチ

中医学的なアプローチでは、体の一部分だけを見るのではなく、体全体のバランスを重視して状態を把握していきます。

当院では、四診(望診・聞診・問診・切診)と呼ばれる方法を用いて、顔色や声、生活状況、脈やお腹の状態などから、体内の気・血・陰・陽のバランスを丁寧に確認します。

こうして得られた情報をもとに、今現在の体の状態を総合的に表したものを「証(しょう)」として整理し、その方にとって必要な治療方針を立てていきます。

この「証」を基に、鍼やお灸を使って体にアプローチし、 内側から体の働きを整えることで、不調の改善や再発しにくい体づくりを目指します。

鍼灸って何に効くの?

鍼灸治療は、痛みやコリといった症状だけでなく、自律神経の乱れや慢性的な不調など、さまざまなお悩みに用いられている治療法です。

当院では、症状の出ている部分だけを見るのではなく、体全体の状態を踏まえたうえで、お一人おひとりに合わせた鍼灸治療を行っています。

ここでは、当院でご相談の多い症状を、分かりやすくカテゴリー別にご紹介します。

お悩みの分類主な症状例
首・肩の痛み首肩こり五十肩
足・腰の痛み慢性腰痛ぎっくり腰膝の痛み
神経痛ヘルニア脊柱管狭窄症
ストレス症状片頭痛自律神経失調不眠
美容のお悩み肌荒れ・乾燥・しみ・シワ・たるみ
その他円形脱毛症顔面神経麻痺

各症状をクリックすると、それぞれの症状に対する鍼灸治療について詳しくご覧いただけます。

どのくらいの頻度で通うの?

鍼灸治療の通院頻度は、症状の種類や強さ、お身体の状態によって異なります。

肩こりや慢性的な腰痛、不眠など、長く続いている症状の場合は、まずは週に1回程度から治療を始めることが多いです。症状が楽になってきた段階で、2〜3週間に1回、さらに安定してきたら月に1回程度と、徐々に通院の間隔を伸ばしていくことを目安としています。

途中でやめてももちろん大丈夫です。鍼灸治療は、通い続けなければいけないものではありません。「楽になった」「ひとまず落ち着いた」と感じた時点で、治療を終了することも可能です。

また、症状が改善した後も、予防として通い続ける方もいらっしゃいます。

不安がある方こそ、まずはご相談ください

鍼灸治療が初めての方や、これまで受けたことがない方にとっては、「痛そう」「自分に合うか分からない」「どんなことをされるのか不安」と感じるのはごく自然なことです。

当院では、そうした不安を抱えたまま施術に入ることはありません。まずはしっかりとお話を伺い、現在のお悩みや生活状況、気になっていることを丁寧に共有したうえで、無理のない方法をご提案しています。

強い刺激や我慢を前提とした施術は行わず、その日の体調や状態に合わせて調整しますので、「ちょっと怖い」「まずは話だけ聞きたい」という方もご安心ください。分からないことや不安な点があれば、どんな小さなことでも遠慮なくお聞きいただいて構いません。

また、症状別に詳しく解説したコラムもご用意していますので、ご自身のお悩みに近いものがあれば、ぜひあわせて読んでみてください。鍼灸があなたの体にとってどのような選択肢になり得るのかを知ることが、安心して一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。